【16】戸田家 女将 寺田まりさん

もてなしも経営もそれぞれがきちんとやっていれば、
それが鳥羽全体のレベルアップに繋がる


あこや会として、鳥羽の女将仲間と積極的に活動する戸田家の寺田まりさん。戸田家のおもてなしや経営面について気を配りながら、鳥羽全体の魅力向上についても取り組んでいます。

鳥羽あこや会の活動で、外に出る機会も多くなりました。戸田家にいたら、旅館のことだけになります。もちろん、そこはきっちりできていることが前提ですが、中のことだけやっていればいい状況、時代ではありません。鳥羽を魅力的に発信できて、いかにしてお客様に来てもらえるかを考えていかなければなりません。
鳥羽全体がまとまって一つにならないと、大きな力になりせんよね。魅力がレベルアップすれば、新しいお客を呼び、またリピーターに繋がります。まとまれば、何倍もの力になりますし、またわたくしどもの宿自体がきちんとしたもてなし、経営をしていれば、それが鳥羽全体のレベルアップにも繋がる動きになりますので、一軒一軒の積み重ねが大切です。
いま、鳥羽の思い出づくりになるよう、鳥羽旅館組合で鳥羽らしいお菓子を開発しています。その売上の一部を災害時に役立ててもらえるよう三重県に寄付するなど、社会的貢献も視野に入れています。
花を生ける講習会を開いたり、正月前には鳥羽の木、やまとたちばなを使ったお屠蘇づくりや餅花づくりも。餅花は地域の文化を知ってもらおうと、去年から地元の幼稚園児も一緒につくっています。餅を搗くところからはじめるんですよ。
相差地区や答志島の女将さんたちと、9月に京都研修に出ました。こちらからすれば京都なんて老舗処で恐縮でしたが、鳥羽には海女さんがいたり、海の幸が豊富でいいわねと言ってくださり、鳥羽に対して地域外の人がどんな印象を持たれているのかが、よくわかりました。

周辺に新しいホテルができ、お客様の要望や過ごし方も変わってきましたから、鳥羽に泊まってよかったという旅館にしていかないといけません。
夏休みは家族連れ、秋からのシーズンは、団体旅行で年配の方が多くなります、新年になると神宮参拝の方と、いろんな層の方にお越しいただいておりますので、ターゲットを絞ってしまうことはできない。食事の形態もそういった層の需要があるから、いろいろ試していかないといけません。料理の評価をあげていこうと、調理場の協力も得て、取り組んでいます。

世界の中で100年続く老舗企業の割合は、日本が50パーセント以上を占めると聞きます。中でも日本は観光の国で、200年以上続く宿もあります。AIが発達しようと、お客様は千差万別。先導するにも、年配の方とはゆっくり、トイレを探している方には急ぎ足と臨機応変に対応します。ロボットがしゃべる時代になりましたが、やはりサービス業は最終的に人の力です。


カテゴリー: 女将