【11】鳥羽シーサイドホテル 常務取締役 大女将 田中花恩里さん

従業員一人ひとりが自分のファンづくりをして、
「この人に会いたい」と思っていただけることが大事


鳥羽湾が一望できるロケーションにある安楽島の鳥羽シーサイドホテル。三重交通ホールディングスに属し、206室を有する規模の宿です。そこで大女将として働く田中花恩里さんは、銀行勤めやブティック経営などを経て、自身が立ち上げた派遣会社の勤務でホテル業を経験。鳥羽シーサイドホテルで当時の社長に抜擢され、副女将となり、女将、・大女将となりました。

人と関わる接客業が楽しいですね。お客様に喜んでいただくことが何よりで、自分のパワーになっています。それに派遣での経験が、今に生かされている部分はあると思います。当時、わたしたちの立場は会社勤めとは違って、お客様に来ていただいて、発注が入って仕事になるわけです。お客様に満足していただけるよう、もてなしの心で接してきました。そして女将にしていただいたのですから、中途半端ではダメ、声を掛けてくれた方々にご迷惑を掛けないよう、必死でした。

朝から晩までと中抜きがありますが勤務時間は長く、住まいは鵜方ですので、通えないわけではありませんが、単身赴任で鳥羽に住んでおります。206室のお客様を迎えるために、サービススタッフは70人ほど。その日のお客様についての朝のミーティング、宴会場や個人のお客様へのご挨拶、副女将と一緒に従業員のシフトを組みます。この団体さんには、この子がいいとスタッフの配置を決めていますが、相性は大事です。また、お客様の好みや滞在期間で食事変更などは、統括料理長にきめ細かく相談しています。

それぞれのお客様にあった対応ができないといけません。長くサービス業をしていれば、お客様がどう感じているかは、言葉や態度でわかります。経験を重ねてできることではありますが、気持ちを汲めるように従業員にはお客様の目を見て接するようにと、話しています。

これから、リピーターのお客様にご来館いただけるよう、力を入れていこうと思っています。それには、自分のファンつくりをしましょうと、従業員に伝えています。ハード面はなかなか変えられませんし、鳥羽の観光資源や素材についてはほかの旅館さんと同じ立場です。だからこそ、従業員一人ひとりが自分のファンをつくって、また「この人に会いたい」と思っていただけることが大事なのです。これがサービス業の極意じゃないでしょうか。

「女将あこや会」はありがたかったです。地元ではないので、交流の場がなかったのですが、情報共有はもちろん、孤立しないでこれたのも、あこや会のおかげです。


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