【9】鳥羽ビューホテル 花真珠 女将 ・ 迫間優子さん

何を売るべきか、日々考えています。
女将はやりがいのある仕事。気付くと一年が過ぎています。


幼い頃から、母の働く姿を見てきた優子女将。迷うことなく跡を継ぎ、旅館の仕事に就きます。母親とは違う時代に、旅館経営の厳しさや難しさも経験。家族経営だからできることをと、柔軟に対応してきました。実際にどんな改革を行ってきたのでしょうか。そして、仕事と家事の両立には、どんな秘訣があるのでしょうか。

お客様を泊まりで迎える旅館は、長時間労働になりがち。昔は朝から晩まで働くイメージでしたが、まずは朝と夜のシフトに分け、労働時間、勤務体制を変えました。軌道に乗るまで大変でしたが、今はみんなが働きやすい状態になったと思います。従業員の平均年齢は33歳と若返りましたが、コミュニケーションを取るのが苦手な年代です。そこはラインで報告してもらったり、SNSを許可しています。ただし謝るときだけは直接です。それ以外はその人が取りやすい方法で、無理をさせず、連絡や報告がないことの方がまずいですから。

もてなしの部分は、母の時代と変えていないつもりですが、省ける部分は省略して、ある程度の効率を考えています。またレストランをつくり、希望される方に有料で部屋食を受けるようにしました。部屋食の対応ができる仲居はプロフェッショナルです。空気を読んだり、状況を見るだけで何かを察知する能力がいります。そういった人材が限られてきましたが、旅館でしかできないサービスですので、最高のもてなしで対応しています。料理も旅館の要です。新しいメニューは、しっかりと協議します。朝食の試食会など、男女の差や年齢別だけでなく、いろんな体型の人で試しています。またアレルギーなど、お客様の要望は一昔前より細かくなっています。柔軟性を持っていないと料理長も大変な時代です。

主人も旅館の経理全般に携わっています。職場も自宅も同じで24時間一緒ですが、家に帰ったら仕事の話は一切しないようにしています。家事との両立は、家族の協力があってこそ。今、娘は3歳。2歳までは頻繁に出張も出ていましたが、ちょうど、意思表示をしはじめた頃なので、逆に難しくなってきましたね。その中で、女将が不在でもまわっていく体制をつくらないといけません。

母の時代は、平均単価が25000円。今は半分以下で、当時の売上にはビデオや写真なども含まれていました。今はそこに期待できませんが、月2回の管理職ミーティングで一致団結し、従業員にも売上に対する欲が出てきました。今後は宿の特徴を出して、特化していかなければと感じています。旅館が普通の営業をしていたのでは儲からない時代です。何を売っていくべきか、日々考えています。女将はやりがいのある仕事。24時間はあっという間で、気付くと一年が過ぎています。
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