立ち居振る舞いも女性ならではの観点も勉強になります
女将あこや会は、鳥羽旅館事業協同組合女性部の組織として、平成23年9月に設立されました。当時の理事長が、旅館組合でも女性が活躍する場を持ちたいと、提案されました。事務局としてその活動を支えるのが、木下香織さんです。事務作業から現場のフォローまでをこなし、女将さんたちに慕われています。
女将あこや会は、「女性も旅館内の業務だけでなく、これからは外に出て、お互いの交流も深めていってはどうか」と、発足しました。宿の情報交換をしながら、みなで顔を合わせるうちに、あれをしよう、これをしようと意見が出て、活動の内容を決めてきました。最初に女性ならではの視点で、旅館組合のロゴマークをつくりました。アロマテラピーや日本茶の講習会、マナー講習会、インバウンド向けの飲食店MAPを作成したり、そういったデザイン面や気配りに関することなどは、やはり女性の方が長けています。
活動や発表の場には鳥羽市内の施設を使って、その宣伝もしています。伊勢志摩サミット配偶者プログラムへ参加したり、知事を訪ねたり、また県内外の組織との交流も深めていきました。また、相差女将ちどり会、答志島たまも会へも年末のもち花づくり等イベント時には声をかけ、市内女将会との連携も図っています。もち花づくりは、平成24年から続けていますが、2年前から伝統文化を子どもたちに伝えたいと、幼稚園児も一緒になってつくっています。それに、同じ鳥羽でも旅館に入ったことがない子どもも多く、宿の文化に触れる機会にもなりました。そんなとき、常にマスコミへのPRも欠かせません。活動内容も同じことばかりでは駄目だとも感じています。PR効果がしっかりと出せるよう、取り上げてくれそうなものを考える。自己満足で終わらないようにしています。
自分たちができることは何かを、いつも考えていますので、あこや会の活動は年々活発になっています。あこや会での取組みを全旅連が主催する「人に優しい地域の宿づくり賞」へエントリーし、努力賞を受賞したり、鳥羽市観光協会から感謝状もいただきました。評価してもらえることは、活動を進めていくうえで、とても大きな励みとなっています。鳥羽を発信することが、結果的に宿のPRに繋がっていきますので、テレビやラジオは積極的に使って、どこへ出向いても何か宣伝ができないかと、機会を狙っています。
活動としての一番の実績は、平成28年7月に「全国女将サミット」を成功させたことではないでしょうか。第27回目となる女将サミットでしたが、東海地区での開催、旅館での開催ははじめて。これまで東京、京都、福岡など都市部で開催していたものを、鳥羽へ誘致したのです。協賛を集めるのも自分たちで動き、来賓100人、女将さん150人を受け入れました。このときの女将サミットを通して、あこや会の結束力が強まったのは言うまでもありません。
事務作業だけでなく、講習会なども一緒に参加し、女将さんとともに行動することが、とても有意義な時間となっています。立ち居振る舞いも含め、女性ならではの観点もとても勉強になります。
ブログを通して、鳥羽の魅力や旅館の魅力を少しでも多くの方に知っていただき、「TOBA」に興味を持ち、旅館に泊まってみたいと思っていただけるとうれしいです。今後も「OKAMI」と「ITAMAE」が、そのまま海外でも通じるよう発信していきます。