【24】鳥羽旅館事業協同組合 事務局 木下香織さん

女将さんとともに行動することは有意義な時間
立ち居振る舞いも女性ならではの観点も勉強になります


女将あこや会は、鳥羽旅館事業協同組合女性部の組織として、平成23年9月に設立されました。当時の理事長が、旅館組合でも女性が活躍する場を持ちたいと、提案されました。事務局としてその活動を支えるのが、木下香織さんです。事務作業から現場のフォローまでをこなし、女将さんたちに慕われています

女将あこや会は、「女性も旅館内の業務だけでなく、これからは外に出て、お互いの交流も深めていってはどうか」と、発足しました。宿の情報交換をしながら、みなで顔を合わせるうちに、あれをしよう、これをしようと意見が出て、活動の内容を決めてきました。最初に女性ならではの視点で、旅館組合のロゴマークをつくりました。アロマテラピーや日本茶の講習会、マナー講習会、インバウンド向けの飲食店MAPを作成したり、そういったデザイン面や気配りに関することなどは、やはり女性の方が長けています。

活動や発表の場には鳥羽市内の施設を使って、その宣伝もしています。伊勢志摩サミット配偶者プログラムへ参加したり、知事を訪ねたり、また県内外の組織との交流も深めていきました。また、相差女将ちどり会、答志島たまも会へも年末のもち花づくり等イベント時には声をかけ、市内女将会との連携も図っています。もち花づくりは、平成24年から続けていますが、2年前から伝統文化を子どもたちに伝えたいと、幼稚園児も一緒になってつくっています。それに、同じ鳥羽でも旅館に入ったことがない子どもも多く、宿の文化に触れる機会にもなりました。そんなとき、常にマスコミへのPRも欠かせません。活動内容も同じことばかりでは駄目だとも感じています。PR効果がしっかりと出せるよう、取り上げてくれそうなものを考える。自己満足で終わらないようにしています。

自分たちができることは何かを、いつも考えていますので、あこや会の活動は年々活発になっています。あこや会での取組みを全旅連が主催する「人に優しい地域の宿づくり賞」へエントリーし、努力賞を受賞したり、鳥羽市観光協会から感謝状もいただきました。評価してもらえることは、活動を進めていくうえで、とても大きな励みとなっています。鳥羽を発信することが、結果的に宿のPRに繋がっていきますので、テレビやラジオは積極的に使って、どこへ出向いても何か宣伝ができないかと、機会を狙っています。

活動としての一番の実績は、平成28年7月に「全国女将サミット」を成功させたことではないでしょうか。第27回目となる女将サミットでしたが、東海地区での開催、旅館での開催ははじめて。これまで東京、京都、福岡など都市部で開催していたものを、鳥羽へ誘致したのです。協賛を集めるのも自分たちで動き、来賓100人、女将さん150人を受け入れました。このときの女将サミットを通して、あこや会の結束力が強まったのは言うまでもありません。

事務作業だけでなく、講習会なども一緒に参加し、女将さんとともに行動することが、とても有意義な時間となっています。立ち居振る舞いも含め、女性ならではの観点もとても勉強になります。

ブログを通して、鳥羽の魅力や旅館の魅力を少しでも多くの方に知っていただき、「TOBA」に興味を持ち、旅館に泊まってみたいと思っていただけるとうれしいです。今後も「OKAMI」と「ITAMAE」が、そのまま海外でも通じるよう発信していきます。


カテゴリー: 女将

【23】吉田屋 和光 錦海楼 女将 吉田絹江さん

鳥羽市の人口は約18,000人。1954年に市制が施行され、1977年に国際観光文化都市に指定されています。観光業で働く人が多い鳥羽市が豊かであるためには、どうすればいいのか。何事にもポジティブに取り組む絹江さんは、危機感を持ちながら、女将として、一市民として、そんな課題に向き合っています。

年間430万人の観光客が訪れる鳥羽は、日本有数の観光地です。そのうち宿泊者数は170万人です。鳥羽の人口の100倍にもなる人数を、宿で迎えているのです。また旅館だけでなく、観光業に従事する人は人口の7割で、観光業からの税収が市を支えます。それゆえ、鳥羽では観光誘客を盛り上げていかねばなりませんが、現状のままでは厳しいと感じています。それが数字として如実に表れているのです。5年前には200軒あった宿が、現在170軒。30も減ってしまいました。もちろん、鳥羽の景色や食材など、今のままでいいところもありますが、現状維持ではいけないと思っております。5年先、10年先に同じように宿が減少してしまえば、どうなるでしょう。7割が従事する観光業で食べていけるのでしょうか。現在の鳥羽市の人口は1万8千人を切りました。良い働き手が県外市外へ流れるのは街の魅力に比例していると思います。働き方改革と言われますが、人手不足は死活問題です。観光業が繁盛し、税収アップに結びつく施策を期待したい、そういう意味で今のままではいけないのです。

鳥羽は海女の活躍に力を入れておりますが、170軒の旅館がある鳥羽には、女将もたくさんいます。日本の伝統文化を受け継ぐ女将も「OKAMI」として世界で知られる存在になれば、鳥羽の発信にもつながると考えております。

鳥羽で40年以上過ごす私は、昔の鳥羽はこうだったなと思うことも多くなりました。夏や連休には、車で10分の距離が渋滞で2時間かかることもありました。飲み屋街のネオンが明るい時代もありましたし、鳥羽市の人口は2万3千人程だった記憶もあります。最近、坂手島では子供がいなくなり、小学校がなくなりました。そのうち無人島も出来るのではないかと思ってしまいます。

鳥羽で旅館の女将をするようになり、この先どうなるのか、そんな不安でいっぱいです。宿が減るだけではなく、タクシー会社も撤退してしまいました。この事態は、このままの鳥羽でいいんですと言えない状況です。

鳥羽旅館組合 女将あこや会でも、PR活動を積極的に取り組んでいます。国内のお客様はもちろんのこと、外国人観光客にもお越しいただけるよう、インバウンド対策もしっかり練って、海外PRも強化していきたいと考えています。私は、時間を作って海外へ行くようにしております。初めてマカオへ行った時は驚きました。観光とカジノで税収をまかなっている国ですが、外資系大手が入って、まちをつくり替えました。税金なし、教育費、医療費もなし、そして年間1人あたり約18万円ももらえるのだとか。朝から夜中まで、働き手もあふれています。マカオは一つの参考例ですが、税収が増えて市民が豊かになったことは事実です。

小さな街の中で生活しているだけではなく、視野を広げ情報を収集することも大切です。「人生一回」、後悔しない、思ったことは行動する、やりたいことは挑戦する、無理はしない、前進しかしない、私の生き方です。
いろんなことを吸収し、これからも鳥羽の話題づくりをしていきたいです。
カテゴリー: 女将